WEFのDigital Culture Guidebook

これかあ。なんか去年あたりから、「デジタルカルチャー」が文化路線以外に、ビジネス路線で語られるようになって Amazonとかで書籍を見ていても「DXを達成するための企業内の風土」みたいな意味合いで使われている例が多くなってきた気がしていた。

偶然見つけたけどWEF(世界経済フォーラム?)の資料にこんなのがあるらしい:
“Digital Culture: The Driving force for Digital Transformation” 2021
https://www3.weforum.org/docs/WEF_Digital_Culture_Guidebook_2021.pdf

こういうのより文化路線のほうが楽しいと思うんだけれどなあ。まあ、ビジネス路線も含んでの「デジタル文化」ですかね。

telegram, liveuamap …

昔々、20年くらい前? 留学している人のブログを読んでいたら、謎のツールが紹介されていた。なんでもそれを使うと日本の家族と24時間無料で、つなぎっぱなしで会話できるという。それが skypeを知ったきっかけだった。そんなこんなで、海外のひとがどんなソフトを使っているかに興味がある。というわけで、昨今のウクライナ関連ニュースで見聞きしたツールの話を少し。

telegram

まずは大統領がビデオメッセージを送っているtelegramというツールはどう使われているんだろうと思った。 Wire と telegram というメッセンジャーがあって、セキュアな通信を好む人々に使われているのは知っていたのだけれど、どうやって不特定多数にメッセージを流しているのかと思った。

調べてみたら簡単で、チャンネル機能があるのである。でも単に特定の相手とのメッセンジャーだろうと思っているわたしのような人には気づかれないかも。Contact で検索すると、個人だけじゃなくて NewYork Times とかのチャンネルが出てくるのである。面白いのは、主催者からの一方向なメッセージが流れるだけで、視聴者側からはコメントできない?ように見える点。グループ通信だと相互にコメントできるのかな。そしてチャンネルもグループも10万人まで登録できるらしい。ちなみにかの有名なチャンネルに登録してみた。するとしばらくして通知が来て。。。

不謹慎だが、なんだか身近に感じる。メッセージや会話はP2P的に分散され、しかも暗号化を強くすることができるらしくて、秘匿した通信が行えるのも昨今の状況ではポイントなのであろう。(でも元々の開発はロシアの会社なんだって)。

LiveUAMap

もうひとつは、現地のひとたちが攻撃されている地域を知るためにつかっているという LiveUAMap。これは地図上に、色々なニュースをマッピングしていくというもの。

アイコンをクリックすると、どの地点でどんなニュース/口コミがあったかが表示される。ただ、このニュース/口コミについては、一般からの書き込みではなく、クローラとAIを使ってweb上の情報を集め、それを人間のエディタが見てから載せているらしい。そもそも2014年にウクライナの紛争?を世界に知らしめるためにつくられたというから、現地には浸透しているのかもしれない。

LiveUAMapのaboutページを見ていたら、国連の”Digital technologies and mediation in armed conflict” なるレポートを見つけてしまった。
レポートDigital technologies and mediation toolkit のサイト

ストックホルムのSpace.cc

こちらのリンクで知ったのだけど、ストックホルムにデジタルカルチャーのための施設ができたらしい。

https://tokuhain.arukikata.co.jp/stockholm/2021/11/space.html

https://space.cc/

anannのゲーム特集

そういえば少し前のanann、ゲーム特集だったんですよね。

内容は、ゲーム実況の人たちの紹介と、チャンネルの紹介、あとインディーゲームとか。
でも、もう着実に、「普通の趣味」に近付いてるんだなあ。アニメもそうだけど、40年前(比較してごめんなさい)には、本当に見下されてたんですよ。パソコン関係は。

スクパニのPV

School food punishment の “you may crawl” のPVが印象に残っている。いまでは(当時でも?)簡単にできてしまうのだろうけれど、昔のwindowsの「配管工みたいなスクリーンセーバー」を実写にしたような? どんどん空間を埋め尽くしていくオブジェ?がなんだかスリルとサスペンスで。

関係ないですが、このベースのひともすごいし、キーボードの人が素晴らしいですよね。

「計算の歴史学」

おお、こんな連載も。

【連載】計算の歴史学とジェンダー―誰が計算をしていたのか?(前山和喜) – 文学通信

https://bungaku-report.com/computing.html

前山先生の読書会ではつぎのような本も読まれているとか。

https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320124691

一歩引いて、コンピュータの歴史そのものだと、Computer History Museumがありますよね。

https://www.computerhistory.org/timeline/computers/

日本だとASCIIの元編集長さんがやられているというマイコン博物館があったり。

https://www.gijyutu-shounen.co.jp/Library/museum/index.html

3Dゲーム OLION

ASCIIの話を書いていたら思い出した。近所の友達のよっきの家にはPC8801があったのだけれど、そこで見たこともない面白いゲーム(当時)をやらせてもらったのだった。それはOLION。

記憶では、3D感がある宇宙船シューティングゲーム。むこうから敵の宇宙船がバンバン打ちながらせまってくると、3Dで見えるだけあって、画面のこっちでおもわず頭を下げて避けたりした。

。。。。なのですが。 youtube で検索してみたら、でてくるのですよ OLION。。。。が、ぜんぜん3Dじゃない!! わたしの記憶は一体?? これは3Dじゃなくて、遠近感はあるけど2Dじゃないですか。

でも、「当時のわたしには3Dに見えた」っていうのも重要な気がする。いま現在2022年のVRだって、何年か後には「今見てみたら全然リアリティがない」ってことになってるかもしれないしね。

HALT and Catch fire

“Halt and catch fire” はアメリカのTVドラマ。扱っているのが、PC黎明期なので、メチャメチャ面白いです。シーズン1〜3なのだけど、シーズン1が新PC開発の話で1970-1980年代相当? シーズン2はパソコン通信の話、そしてシーズン3はゲーム開発の話となっていて、(言ってみれば)デジタルカルチャーがらみの主要なトピックがカバーされています(笑)。

登場人物は、スティーブジョブズ風のカリスマ起業家、天才ソフトエンジニア、天才ハードエンジニア。この3人(と周囲の人々)が上記3つの時代をどう対処していくか、みたいな話です。

日本だとHuluで観れます。かなりオススメです。

https://www.youtube.com/watch?v=r9LEqTTJwmU

まあ、なんというか、ほぼ同時代を生きていた(はずの)私なのだけど、特殊な時代だったのかなあ。とんでもないゴールドラッシュというか? すごいプレッシャーと表裏一体の。

「反省記」を読んで(2)

そして西和彦が関わっていた国内PCも多い。NEC PC-8001, 8801, 日立BASIC MASTER Lv3 (Lv2は使いにくかった)、沖電気 IF800、EPSON HC-20、、、 そしてMSX。 さらにPC-100 。ほとんど全てなんじゃないだろうか。そしてノートPC業界では「東芝の溝口が試作品ダイナブックに水をいれて、まだ薄くなると言った」という伝説があるけれど、あれも西和彦がタンディへのプレゼンでM100を水に入れ、でてきた空気の体積を測って、「この体積の分、まだ薄くなる」と言ったのが元らしい。

というわけで、80年代は、日々 Bit Inn やパソコン売り場に通っては PCを触り、ASCIIやら I/O を読み、と、我々は西和彦の頭の中で暮らしていたようなものではなかったのだろうか。

この本の前半はパソコン史がよく見えるのだけれど、後半は西和彦のつらい時期が語られる。読んでるだけで辛い。いろいろ失敗や不幸が重なり、権限がなくなっていく。そして、絶対芽がある!と信じているプロジェクトが、公的資金で介入してきた(パソコンのことを何もわからない)銀行屋さんによって潰されていく。 あのハイパーネット?システムのASCII NET も ASCII Internet eXchange も、これで潰されたのか。思うのだけれど、個人的には90年代も西和彦の頭の中で暮らしていたらよかったかもなと思う。だって表参道に VAX11があったんだぜ?

「反省記」を読んで(1)

西和彦さんの「反省記」を読んで色々びっくりした。自分が経験した多くの「パソコン文化」に、思った以上に西和彦が関わっていたらしい。

例えば工学社。パソコン雑誌の I/O を出していたところだけれど、ここも西和彦が立ち上げメンバーらしい。というか、最初に立ち上げた会社らしい。そしてここを郡司さん、塚本さんと、飛び出てアスキー出版をつくったらしい。 わたしは一応、「パソコン少年世代」と「マイコン少年世代」の中間くらいじゃないかと思っているのだけれど、コンピュータ関係の情報は ASCIIか I/Oから得ていた気がする(トラ技とかインタフェースとかはまだ理解できなかった)。

ASCIIとI/Oはちょっと違っていて、個人的であいまいな印象だけれど、ASCIIのほうが格好良かった。I/Oの方は理工学部的な?いま存在する技術でどう遊ぶか、みたいな感じで、一方、ASCIIはビジネス誌というか、コンピュータの将来を夢見たロマンチックでスリリングな感じがあったように思う。本にも書いてあるのだけど、「月刊ASCII」巻頭言で、西和彦は次のように書いたと言う。:

コンピュータが個人の手に届く商品となったら、それをどのように分類したらいいのでしょうか。電卓の延長ではないと考えます。家庭や日常生活の中に入ったコンピュータは、テレビやビデオ、ラジオのような、いわゆるメディアと呼ばれる、コミュニケーションの一手段になるのではないでしょうか。

西和彦 「反省記」 pp111-112

アランケイとどのくらい接触があったかわからないけれど、この時代にしてはなかなか先進的なコメントである気がするし、このあたりが、私が月刊ASCIIを格好いい、と思っていた原因な気もする。もう一つ格好いいと思っていた原因は、月刊ASCIIのビジュアルなんだけれど、あの特殊に大きい版(レターサイズ版?)や、ロゴなどの表紙のビジュアルなは、電通大出身の塚本さんによるものだという。これもびっくり。

アーカイブ

カテゴリー

デジタルによって生まれた文化==デジタルカルチャーにはどんなものがあるか、それはどこが新しくて何が変わらないのか、今までにない、どんな格好良さ、どんな表現があるのか、等々を考えるブログ。

Mail : dc@senseofdigital.jp